伏見で起業予定の若いお二人。学んできたことで気づいた社会の課題を事業化しようとする思いをインタビューさせて頂きました。
Q,お二人は育児を応援する事業を立ち上げ準備中ですが、なぜそのような取り組みをしようと思ったのですか?
(中尾)
わたしは今、助産師として仕事をしており、社会人1年目です。大学では3回生まで看護を学び、助産は1年で一気に学ぶというようなコースで、その時は助産師になると決めていたわけではありませんでした。
育児ボックスを知ったのは大学の授業がきっかけです。フィンランドでは、赤ちゃんが生まれたときに1年間分の子育てに必要なもの、例えば服などを無償でもらえる制度があることを学びました。私達はこのような仕組みが日本でも普及してほしいと考えています。
(山下)
フィンランドで行われているような出産祝いをもし日本でももらう事ができれば、「育児は孤独じゃない」と感じてもらえるかもしれないと考えています。育児がしやすい、楽しくなる環境を日本につくりたいと思っています。
(中尾)
私は、実際に助産実習の中でお産に立ち会ってきました。お産の現場の重要性はもちろんですが、私はもっと育児を楽しめるお手伝いをしたいと感じています。
(山下)
私は学生時代ボランティア活動などをしていましたが、根本的な思いは「人の役に立ちたい」ということです。仕事をやりながらこれまで準備してきましたが、今の取り組みを仕事にしていきたいと思っています。
たまに育児に対して日本が冷たいのではないか、と感じるようなニュースが流れます。そのようななかでも、少しでも手助けできたり、もっと支援を広めていくことで、お母さんたちの不安を解消できるのではないかと考えています。
こちらは5万円のボックスに入っているラインナップ
Qお二人がつくる「育児ボックス」にはどのような特徴がありますか?
(中尾)
フィンランドでは1年分のグッズと言われていますが、子どもの服が中心になっているものが多くあります。私達は「これがあれば子育てがスタートできる」という一式を考えています。
(山下)
初めて子育てをする方は、何を買えばいいのか考えるのも大変だと思います。1万、3万、5万のようなわかりやすい価格で、子どもが生まれたご家庭にプレゼントしたくなるようなラインナップや、一式をそろえたいというご家庭のためのセットなどを考えています。
(中尾)
「肌着はやはり日本製のもの」といったように、世界中の子ども向け製品の中から選んでいます。
(山下)
わたしのイチオシは、フランス生まれ子どもの玩具キリンのソフィーです。天然のゴムでできており、かわいく、素材にもこだわっている歯固めの製品です。
(中尾)
わたしは「HAMICO」という歯ブラシをおすすめします。歯科医師と歯科衛生士の想いや工夫がたくさん詰まった歯ブラシで、赤ちゃんが持ちやすい設計になっていてハミガキが嫌いにならないように考えられたデザインになっています。
(山下)
いずれは日本の育児ボックスを世界の方に知っていただき、世界の方が日本の育児グッズに関心を持っていただけるといいなと思います。
お二人がこだわりおすすめする、HAMICO(左)とキリンのソフィー(右)
Qまだお若いお二人が挑戦することそのものも苦労があったのではないでしょうか?
(山下)
「せっかく新卒で入った会社なのにもったいない」という声もありました。しかし、自分の思いや育児の現状を話していく中で、まわりも徐々に共感してくれました。
(中尾)
小中高と教育が進む中で、レールが敷かれているように感じる事がありました。「若いのに」という声も確かにありましたが、「若いからこそ」失敗しても取り返せるという思いもあります。
(山下)
私達がふたりとも「思い立ったら行動!」というタイプなので、そんな二人が揃ったことで行動力の相乗効果が起きています!
Q、育児ボックスをこれから届けたい方へのメッセージを!
(山下)
育児ボックスを通して、育児に関する社会からの目線を変え、楽しみながら育児ができる環境ができたらと思っています。まずは「育児ボックス」という言葉から多くの方に知ってもらいたいなと思っています。
Q、お二人のように行動したいけどくすぶっている方もいるかもしれません。そのような若者へメッセージを!
(中尾)
私は23歳で新卒です。その自分が何を言うのかと思われるかもしれませんが、今回の取り組みを「やってみたい」と思いました。いろいろな見方はあるかもしれませんが、二人でやりたいことをやっていきます。もし、何かに迷っているのであれば、一度やってみるのはどうでしょうか。
【編集後記】
お二人のつくるブランド名は「m’s choice」。「未来への選択」「未来へつなげる」という思いがありつつ、お二人とも名前にMがつくので、「私達(みさほとみさき)が厳選したグッズ!」という思いもあるそうです。まさにお二人が楽しみながら前へ進んでいる思いを感じました。
そんなお二人は現在、クラウドファンディングに挑戦中です。お二人の思いに「そういうの大事だよね」と感じた方、ぜひご覧ください。
■フィンランドの育児ボックスを日本のパパママにも届けたい
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