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執筆者の写真伏見いきいき市民活動センター

【UTTOCOな人】奥村香理さん_vol.38 2021



伏見や山科などにクリーニングの店舗をもつ、株式会社オーク。環境に配慮した機械の導入やハンガーの回収などの取り組みを行い、京都信用金庫のソーシャル企業認証制度にも認証されました。今回は、奥村香理さんにお話を伺ってきました。



ひと手間が信頼につながる


Q.株式会社オークについて教えていただけますか。


 創業以来、「いいものはいい技術で」をモットーにお客さまのお洋服をクリーニングしています。他の会社さんと比べて、価格は安くないと言われますが、お値段以上に満足いただけるように努めています。お客さまにその点を気に入っていただき、「おくむらさんは値段は安くないけれど、しっかりやってくれる」というイメージを持っていただいています。

今は、ファストファッションが流行していることもあり、ご家庭でお洋服を洗うことができますし、アパレルさんもその点を売りにされています。しかし、ご自宅で洗うこととプロが洗うことの違いをお伝えしたいと思っています。

 また、使用するクリーニングの溶剤についても沸点が低く、低温で乾燥するものを使っており、多くの溶剤や水を使用しないため地球環境に優しいです。加えて、高温で洗わないため衣類が傷みにくく、長期間お気に入りのお洋服を使用していただけます。クリーニング後のいやな匂いが全くしないとご好評いただいています。

(クリーニングの魅力を発信するための紙ものを発行されています)


Q.クリーニングのこだわりのなかでワイシャツをあげておられます。こだわりが一番つまっている商品ということでしょうか。


 そうですね。点数として、多い商品になりますし、私たちのよさを伝えることができる商品だと思っています。「より白く、より綺麗に」という思いで、襟元の脂汚れを丁寧に落としています。のり付けも天然素材を使い、臭いがつきにくい防臭加工も行なっています。汚れを落とすことに加えて、毎日着ていただくものですので、着やすさも大切にしています。

 奥さまが近くにできたクリーニング屋さんにこっそりワイシャツのクリーニングをお願いしたそうですが、ご主人はそれに気づかれたというお声をよく聞きます。実際に着用する方は、違いがわかっていただいているようで嬉しいです。また、ワイシャツのポケットは埃などの汚れが溜まりやすいです。そのためお洋服をお預かりした際は、忘れ物の確認と共に埃をとる作業を行なっています。私たちのところでクリーニングをだしていただいている方のポケットはすごくきれいです。


Q.クリーニングの業界にも新型コロナウィルスの影響はあったのでしょうか。


 昨年度は、初めての緊急事態宣言のタイミングと冬服をクリーニングに出すタイミングが重なり、大変でした。しかし、今年度は、昨年度クリーニングに出していないからとクリーニングに出す方がいらっしゃいました。

 ワイシャツなどのビジネスものは在宅やリモートが増えることで減っています。少なくなることは予測されていましたが、今回のように一度に少なくなることは誰も予測していなかったと思います。主力である商品が減ることは、業界にとってもとても打撃です。私たちは、数年前からいずれ減少していくであろうビジネスものに替わる商品を生み出していかないといけないと工夫を行なっていました。例えば、モンクレールなどの高級ダウン、ハイブランドのTシャツなどカジュアルなお洋服にも利用いただけるというご案内をしています。



飛び込んだ、新しい世界


Q.奥村さんは2014年に社長になられたと拝見しました。ご実家がクリーニング屋さんということで、以前から家業を継ぐ意識をされていたのでしょうか?


 いえ。全くそのような意識はありませんでした。ずっと専業主婦をしており、クリーニングについて詳しくないまま働き始めました。パソコンも得意ではなく、自分ができるか心配でした。しかし、自分がやるしかない状況でしたので、クリーニングの勉強会に参加したり、周りの人や父親に経営にまつわるさまざまなことを教えてもらったりしながら取り組みました。


Q.社長になられての印象に残っているエピソードがあれば教えてください。


 私が社長を始めたときは、人手不足の時代でした。当時の私にできることは多くなかったですが、「とにかくやってみる」をモットーに人が不足している店舗に行き、仕事を行いました。会社のなかで、誰よりも自分が新米だったため、知ったかぶりをせずわからないことは教えてもらっていました。2、3年経つとわかってきて、少しずつ余裕がでてきました。



日常をアップデートするお手伝い


Q.主に、京都の南側に店舗を持っておられますが、新店舗を御池通り沿いに出店されました。そこには、どのような思いがあるのでしょうか。


 私たちの店舗は、お買い物のついでという利便性のためスーパーの中にあることが多いです。そのため私たちは「急いでいらっしゃるのかな?」と気を遣ってしまい、しっかりとお洋服に対してお伺いしたり、お伝えしたりすることが難しいと感じていました。新店舗であるCCO(クリーン コンシェルジュ オクムラ)では、お客さまに座っていただき、どのようなシーンで着用されているのか、どのようなところに困っていらっしゃるのか、お聞きしよりよいサービスにつなげていきたいと考えています。

 店舗で雑貨などの販売も行なっています。お客さまにより快適な生活をおくっていただくことに役立ちそうなものをご紹介しています。自分が使ってみてよかったものは、クリーニングに関係ないものも取り扱っています。今までは、業種に関わるものが多かったのですが、垣根はないと思いさまざまなものを紹介しています。

(御池通りにあるCCO。お客さまとのコミュニケーションを大切にされています。)


Q.新しい挑戦もされていますが、今後の展望について教えていただけますか。


 現在、店舗が特定の地域に偏っています。「より多くの方に私たちの技術を知ってもらいたい。クリーニングはいいもの。」ということを広めていきたいと思っています。私たちのクリーニング店に持って行けばなんとかしてくれる、駆け込み寺のようなお店になれば嬉しいです。

 生活のなかで小さなことが幸せだったりします。特別な日は、本当に少しで多くは日常です。その日常を楽しくすることが、幸福感につながると思っています。私たちはそのお手伝いをしていきたいです。

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