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執筆者の写真伏見いきいき市民活動センター

KUWADATE OBOGインタビュー vol.11宮田澪さん

第11回目の先輩インタビュー、今回は宮田澪さんに取材させて頂きました!



名前     宮田 澪

出身地    奈良市

職業     龍谷大学大学院生/自営業者 25歳 

尊敬している有名人 奥野涼 (奈良のシンガーソングライター)


いきセン勤務時代に盛り上げ役だったというだけあって、どんどんと色々な話をしてくださる宮田さん。いつもエンジンがかかっている、そんな宮田さんにお話を聞いてきました!



Q1いきセンで働くことになったキッカケは何ですか?


 大学の同じゼミ生であり、2代目学生副センター長でもあった小野賢也くんに誘われたことがきっかけです。最初は伏見いきセンのことは全然知りませんでした。誘ってくれた小野くんも当時いきセンで働き始めたばかりでしたが、資料を作り、一生懸命、自分の言葉で伏見いきセンのことや事業課のことを説明してくれました。それが嬉しかったです。話を聞いて「楽しそうやな。小野くんがせっかく誘ってくれるなら…!」と思いました。また、ゼミの先輩や同期もいきセンで働いていてつながりのある人が多かったため、最初は「学びを実践に」というより、「人」で決めました。



Q 2 いきセンでの自分の役割を教えて下さい。


 全体を見て、バランスを取りながらまとめる立ち回りでした。小中学校ではサッカー部のキャプテン、高校では軽音楽部の部長、大学ではゼミ長や同窓会の幹事など、人をまとめる役割を担うことが多かったことも影響していると思います。

 僕は人が好きで、スタッフの中でもよく話すタイプだったので盛り上げ役でもありました。そのコミュニケーション能力を活かしてスタッフのみんなの話を引き出すことにも気を配っていました。僕が年上ということもあり、年下のスタッフがイエスマンにならず対等に議論ができるよう、関係性を築いていきました。例えば、一緒に勤務に入ったときに雑談をしたり、本当に思っていることを聞けるようにしたり、進捗状況を聞いてみたりというように一人ひとりとしっかり話すことを大事にしていました。



Q 3 いきセンで学んだことは何ですか?


 普通のアルバイトでない点で、大きく分けて2つあります。事務仕事にあたる管理業務から学んだことと事業から学んだことです。

 事務仕事については公共施設ということもあり、些細なミスも注意されます。僕は今まで肉体労働しかしてこなかったので事務仕事のミスの重みを理解していませんでした。細かいミスも許されず、完璧を求められる点で「これが社会のルールなのだな」と思いました。一人前としての仕事に対する姿勢を管理業務から学びました。

 1年目に担当した団地で高齢者の家の掃除や困りごとの解決をする事業では、自分とは違う視点との出会いや、高齢者と関係性を築いていく過程で気づきがありました。僕は身近に高齢者の方がいないため、「こういう考え方をするのか」と思いました。保守的な部分や生きてきた時代を感じさせる考え方など、僕たちとは視点が違いおもしろかったです。

 2年目はマチノモトという数字やデータを地域の人が活用できるように、編集する事業を担当していました。正直なところ、このようなパソコンでの細かい作業に苦手意識があり大変なところもありました。しかし、事業の担当者としてやりぬかないといけません。苦手な部分を意識して取り組むことで克服できたと思います。加えて、数字のもつ確固たるevidenceという魅力に気づくことができました。



Q4いきセンでのやりがいは何ですか?


 一歩一歩乗り越えていくことにやりがいを感じていました。事業で頻繁に団地のシニアのみなさんに会いに行き、仲良くなっていきました。関係性ができたことで少しずつ抱えている悩みを話してくれるようになり、嬉しかったです。友だちとは違いますが、こちらが心を開いたら相手も心を開いてくれるような、そんな感覚です。

 マチノモトでは数字やデータを扱うことに苦手意識がありましたが、手探りでも続けていると楽しいと思える時が来ます。いったんそれが分かればあとは軌道にのっていくので、やりがいを感じられました。



Q5現在のお仕事ではどのようなことをされていますか?


 僕のルーツの1つでもあるネパールで、「ハイボールと唐揚げに特化した日本式バー」を友人と2人で起業しました。今は、自営業者としてネパールで働いています。

 なぜ起業したかというと、今までの経験を活かしてサラリーマンの仕事でも並程度にはやっていけると感じました。それなら、今すぐにサラリーマンにならなくてもいいと思いました。失敗してもやり直せるので、「今おもしろいことをしよう!ネパールに行こう!」と思い立ちます。以前から、自分にネパールの血が流れていることを強く意識していたので、自然な決断でした。

 小さい頃からネパールを訪れており、歳を重ねるごとにネパールの魅力と課題に気づいていきました。僕たちのバーは、毎月純利益の10%を孤児院に寄付することでネパール社会にも還元する仕組みで運営しています。



Q6いきセンでの経験を踏まえて、どんな人になりたいですか?


 対話に重きを置きながら、まずは自分の両手で届く範囲の人たちを助けていける人になりたいです。ぼくは人が大好きなので、仕事内容や場所はそこまで重要ではありません。いろいろな人とのふれあいを大切にしていきたいです。ネパールでの起業は今までの人とのふれあいの中でつながったものだと思っています。

 いきセンでの「チームで仕事をする」ことから学んだのは、チームで乗り越えていくプロセスです。これは単純作業ではないですし、一人ひとりと向き合わなければならず、その中でもいろいろな問題が生まれ、うまくいかないこともありました。そのときに対話を繰り返し、前に進んできました。この経験をこれからも活かしていきたいと思います。

 今、ぼくは孤児院の子どもたちをどう支援すればこの子たちがしあわせになれるのかとすごく考えています。伏見いきセンは市民活動センターとして市民のより良い暮らしをサポートする役割がありますよね。ぼくが今やっていることは、それを果たす場所がネパールに変わっただけです。いきセンでも対話は重要でしたが、日本と違ってネパールは貧しいということを意識しながら、対話を大事にして解決していきたいです。


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