今回は伏見区で、酒造を営んでおられる齊藤酒造株式会社様にインタビューを行いました。
齊藤酒造さんは、8代目までは呉服店を営んでおられましたが、9代目社長が18歳で酒造を始め、120年間続く、続伝統産業である酒造り企業です。
インタビューでは、現在12代目である齊藤透さんにお話しをお伺いしました。
Q.現在はどんなお仕事をされていますか?
今までどんな仕事をしているのかを聞かれたときに、「造酒屋(つくりざかや)をやっている」と答えていました。しかし、造酒屋と言ってしまうとお酒を造るために仕事をしていることになってしまうと考えました。
というのも、お酒を造ることはあくまでもスタートであり、お客さんがそのお酒を買って口に入れるところがゴールだからです。お酒という液体に思いを託して、お客様に食事の楽しみを提供する仕事をしています。
例えば、東京の人が京都に訪れた時、京都のお酒を買って帰るとします。そして、東京でそのお酒を飲むときに、お酒の席で京都の観光地や、楽しかった思い出を思い出しながら楽しく飲んでいただく。これが1番うれしいことです。
京都の思い出を東京で飲むお酒がきっかけで思い出すこと、語り合うことに京都の価値が生まれていると思います。
Q.働き始めたきっかけはなんですか?
父親がしていた仕事ということで、最初はこの仕事をしてみたい気持ちが半分、継がなくてはいけないという義務感半分でした。
しかし、「もし僕がここでやめてしまうとこの商売がとぎれてしまう」また、「この仕事に挑戦できるのは自分しかいない」と感じたのが今のやりがいに繋がっています。
どんな職でも、どこまでその仕事を好きだと思っているかが大切であり、働くと決めた仕事を好きになる努力をするというのも大切です。
Q.次世代の子供たちへのメッセージをお願いします。
働くということは、自分が働くまでにお世話になった人たちや社会への恩返しだと思っています。
なぜ働くのか?と聞かれると生きていくためと答えることが多いと思いますが、本質はそうではないのです。
自分の分野で、自分ができることに特化してお返しをしていくことが働くことの意味であると考えています。
Q.全国新酒鑑評会 14年連続 金賞受賞されているんですよね?
このような第3者からの公的な賞をとることによって、自分たちのやっている仕事に自信を持つことができます。
賞を目的にやっているわけではないですが、金賞受賞酒になることでこのお酒を飲みたいと思う人も増えて売り上げにもつながりました。
☆齊藤酒造株式会社 齊藤 透さんの「ここが、ファンタスティック!!!」
『酒造りのゴールは売ることではなく飲んだ人が楽しい気持ちになってくれること。おいしかったという感想もうれしいけど、1番うれしいのはお酒を飲んだ後に、その人たちが「今日は楽しかったなあ」と思ってくれることである』と齋藤透さんは言っておられました。
お酒を飲んでいる方の機会を全て覗くことはできないけれど、出来上がったお酒にどんな楽しみがあるのか、それを意識するのとしないのでは大きな違いがあると思います。
「私たちはお酒を通して楽しみを提供している。」と熱く語っておられる姿に感銘を受けました。
Fantasticな企業
企業名:齊藤酒造株式会社 インタビュー:齊藤 透さん ホームページ:http://www.eikun.com/ 取材日:2017年12月21日
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学生ライター企画記事
龍谷大学政策学部Ryu-SEI GAP学生チーム もりもり☆キッズ執筆
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