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執筆者の写真伏見いきいき市民活動センター

【UTTOCOな人】河端靖男さん_vol.13 2015


昨年の十月から伏見いきいき市民活動センター 高齢者ふれあいサロンで始まった、「ふしみ 和・ハ・ハまーじゃん塾」(以下 まーじゃん塾)。

現在では五十名ほどのかたが登録され、今年度からは第三土曜日に加えて、第二月曜日にも開催が決まるなど、多くの方にご参加いただいています。

今回は、塾長、河端さんにインタビューしました。

-健康で楽しく過ごすために

Q、健康麻雀をやろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

「麻雀を中心に考えているのではなく、高齢者の活性化を目的にやっています。それが自然と健康促進につながるだろうというそれだけの想いでやっています。みんなで助け合って、愉快に一日に過ごす。それが何よりも健康法です。そのために麻雀がいいのではないかと思っています。加えて、『吸わない。飲まない。賭けない。』の健康麻雀三原則を厳守しています。」

麻雀は、ギャンブルの印象があるゲームと思われがちです。ところが、近年、地方の行政では積極的に麻雀を取り入れているところが出てきています。

指の運動や脳のトレーニングになり、脳梗塞をおこした人のリハビリや認知症予防に適し、健康に一役担っているようです。

(マージャン塾の様子。この日も6卓すべてうまるほどの人が参加されていました。)

まーじゃん塾を実施している「伏見高齢者ふれあいサロン」は「きょういく基地」という愛称がつけられ、伏見いきいき市民活動センターが管理し、大学生と地域の諸機関、市民グループのみなさんによって運営されています。

「この間もたくさん学生さんが参加してくれました。少し入ってくれるだけで、雰囲気が全然違ってきます。学生さんが入ってくれると、自分たちの孫ぐらいの世代の子達だから、話も弾むし、楽しいですよ。居場所として楽しくなってきます。若い人もシニアと話をしながら、始めはうるさいなと思うかもしれないけど、溶け込むと楽しいんじゃないかな。」

シニア同士のコミュニケーションだけでなく、多世代にわたるコミュニケーションがとれるのもまーじゃん塾の特徴です。

また、3回目以上連絡なく欠席した人については、河端さん自ら安否確認の意味も含めて参加者の了承の上、電話をかけています。「シニアの健康管理もまーじゃん塾の役目の一つ」とおっしゃっていました。

-みんなでつくる居場所

Q、これだけの規模のみなさんと、まーじゃん塾を進めていくのは大変ではないですか?

「実際言うと、大変です。笑 まーじゃん塾をやった後は二日ぐらいずっと疲れています。当日は朝から夕方まで、座る暇もありません。手を挙げて『先生!わからないから教えて!』とあちらこちらからすぐ呼ばれます。」

(生徒さんにマージャンを教える、河端さん)

そんな中でも参加者や場のいろんな風景や変化がみえてくるそうです。

「負けず嫌いな人、とてもおっとりとした人、慎重派な人など、ただ勝負に熱くなるだけではないその方の面白さや性格がゲームの中に出て、おもしろいなと感じています。それに、煙草を吸う人が始めは4人ほどいましたが、今は1人もいないくらいです。わきあいあいとした雰囲気でみんなが吸ってないから吸いたいと思わないし、ゲームに熱中しているから吸うことを忘れるのでしょう。」

Q、運営についてみなさんはどんなサポートをしてくれているのでしょうか?

「取り組みをはじめる前に一緒にマージャンをやっていた仲間たちが、とても気をつかって協力してくれます。目的を毎回伝えているから、みんな趣旨を理解していて協力的です。みんな『手伝おう』と思ってくれているみたいです。」と河端さん。

ある日のまーじゃん塾では、河端さんよりも参加者の方々が早く来られ、サロンが開館すると同時にマージャンのセッティングに取り掛かりました。

河端さんはその間、お菓子や飲み物の準備等、他の段取りを行っていました。参加者と一緒になって会場、居場所を作っていきます。

お昼ごはんのおにぎりは、河端さんが人数分買い出しに行かれます。

「『お昼になったし、おにぎり買ってきて』と言われます。笑 おにぎりも40個以上買うと、さすがに重かったです。あまりの重さにびっくりしました。僕は、もともとスーパーで買い物することが苦手でした。自分でできないから全部嫁さんに頼っていました。でも、さすがに買い出しをお願いすることはできません。嫌だけれど、嫌と言ってられないので、始めはついてきてもらい、二回目以降は自分だけで買いにいきました。これで独居老人になっても一人で暮らしていけそうです。笑」

まーじゃん塾を始めて、プラスになったことの一つとおっしゃっていました。

-まーじゃん塾 これからへの思い

サロンのある竹田地区は伏見の中でも高齢化率が特に高い地域です。河端さんもそれを知り、気にしておられるようでした。

「できれば、この竹田地区からもう少し参加する人が増えてほしいです。みんながサロンに出入りしているわけではないので、私たちが訪ねていかないといけません。しかし、地域のことを知らない我々メンバーだけでは難しいところがあります。そういう時は、地域の人たちの協力を得ています。

また、これからずっと続けるにあたり、身体が不自由な人や後遺症を持つ人たちの治療の一環にもなれば、と思っています。そのような人が周辺の団地にいらっしゃるのではないかと思いますので、遊びの場に出てこられるような働きかけをしていこうと思っています。」

登録されている約五十名の中で、サロン周辺のかたは、五、六名ほど。圧倒的に伏見の中心部や深草にお住まいのかたが多いそうです。

(河端さんお手製のマージャン台)

河端さんは現在七十代。参加されているかたも七十代前後から八十代近いかたが多く、みなさんとても元気だそうです。

元気と言えども、体力的に厳しい面もあるようで、世代交代を少しずつ意識されています。

しかし、次世代のかた(六十代)があまりいないのが、現状です。持続的な活動を目指し、次の担い手を探すことも課題のようです。

「『ひと月に二回のまーじゃん塾を楽しみにしている』と言ってくれる人がいます。そういう人がいると、少しだけ社会に貢献しているのかなと思います。」

(2015/06/11)

INFOMATION

「ふしみ和・ハ・ハまーじゃん塾」

とき:毎月第二月曜日/第三土曜日 ところ:伏見いきいき市民活動センター 高齢者ふれあいサロン 費用:500円(飲食代込)

お問合せ:075-646-4274 (伏見いきいき市民活動センター)


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